青年バージョン 第8号
今回は毎月第3日曜日に開催されている、『ライフイノベーション教室』の第二部「人生カタリバ」で語られた、香川県在住で幼稚園教諭をしているMさんのスピーチの内容を紹介します。
「三つ子の魂百まで」という諺がありますが、幼いときに覚えたこと、身につけたことは、大人になっても忘れないということで、本当に幼児期の教育の大切さ、重要性を感じる内容でした。
さてさて、どんなお話しでしょうか?
はじまり、はじまり…
職業が幼稚園教諭だと言うと、このように思われる方がいます。
「幼稚園の先生って、子どもと遊ぶのが仕事でしょ?」
はい。これは ○正解 です!
確かに正解なんですが、ただ遊んでいるでだけでは、一般の人となんら変わりがありませんよね。一応、大学で勉強して資格や免許を持っている以上、何かしらの専門性があるはずです。
今回は、幼稚園の先生の専門性について話をしたいと思います。
遊ぶのが仕事だと言いましたが、遊びの捉え方が一般の人とは違うのではないかと思います。
そもそも、大人にとっての遊びと子どもにとっての遊びとでは目的が違うと思います。
大人にとっての遊びは、ストレスの発散であったり、娯楽であったり、暇つぶしだったりすることが多いのではないでしょうか。
しかし子どもにとっての遊びとは、素材そのものが学びになっているのです。まずはこれを意識して欲しいと思います。幼稚園では3歳から5歳の子どもたちが、遊びを通して学んでいます。
では、子どもは幼稚園で一体何を学んでいるの? それは・・・
これは「幼稚園教育要領」というものに書かれているのですが、この「幼稚園教育要領」というものは、学校教育法や教育基本法などの法律をもとに作られているものです。
まず、幼稚園でこんなことしてね!とは、遊びを通しての指導をしてくださいねということです。これは、小学校のように机に座り、黒板を見ながら学ぶというスタイルではなく、遊びを通して学んでいくということです。そして次に、環境を通して行う保育です。これは、子どもが自分から関わりたくなるような環境を用意して、自ら進んで遊んだり学んだりできるようにするということです。そして、保育者自身も環境の一部であるということです。最後に、発達の課題に即した指導をしてくださいとなっています。
子どもといっても、ひとりひとり興味や能力は違います。それぞれの興味や能力にあわせて、環境を考えたり、遊びを考えたり、言葉かけをを考えたりしてください、という風に書いています。
次に、そのことを通して子どもにどんな力がつくのか? ですが・・・
幼稚園教育要領には5領域という言葉が出てきます。
五領域は、健康、人間関係、環境、言葉、表現の5つのキーワードから成り立っています。イメージとしては小学校の教科を思い浮かべてみてください。
小学校の教科の基礎の力をそれぞれつけているという感じです。
例えば、健康というのは小学校の教科では、保健体育、そして給食にあたります。人間関係は、普段の生活の中で身につけていくもですが、あえていえば道徳に関することになるかと思います。
そして環境は理科、社会、算数の基礎になる力。言葉は国語、そして外国語の基礎になります。表現は体育で、特にダンスですね。そして、図工と音楽の基礎になる力になります。
それでは、この5領域の力がつくために、先生方は子どもたちに対してどんなことをしているのでしょうか?
例えば、5歳児のクラスでブレスレット作りを楽しんでいる女の子がいるとします。その女の子と先生の会話をちょっと想像してみてください。(*^▽^*)
こんな感じで会話が続いていくわけですが、これだけ見るとやっぱり遊んでるだけじゃない?と思う方もいるかもしれませんね。
先生の専門性を知るために、先生がこの時、何を考えながら言葉を発しているのか?ということに注目してみたいと思います。このような会話の中で先生はこんなことを考えているのです。
このように、ちょっとした会話の場面でも、子どもに学びがあるように意識をして声かけをしていることがわかります。そしてこれらの言葉かけの前提にあるのが、遊びを通しての指導であったり、発達の課題に即した指導、また環境を通して行う保育というわけです。
では、保育園やこども園ではどうでしょうか?
幼稚園に幼稚園教育要領があるように、保育所、保育園には保育所保育指針というものがあり、こども園には幼保連携型認定こども園教育・保育要領というものがあります。
これらの3歳以上の幼児教育に関する記載は、ほとんど同じになっています。
中には、幼稚園の方が子どもが賢くなるのではないか?小学校に近いことをしてくれるのではないか?というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、日本では幼稚園、保育園、こども園の幼児教育の質は、法律上ほぼ同じ、ということを知っておいていただければと思います。
最後に、親である皆さん、そしてこれから親になるであろう皆さんに伝えたいことです。
幼児期は人格形成においてとても大切な時期です。
法律上は幼児教育の質は同じになっているのですが、実際は園によって保育の実体は様々です。
子どもにどんな経験をさせたいか?どんな力を身につけて欲しいのか?ということを、保護者の方が考えた上で、その子どもに合った園を選ぶことをお勧めします。また、子育てを支えてくれる施設は、幼稚園や保育園意外にもたくさんあります。大体の市町村に、子育て支援センターなどの施設があるはずです。子育てで困った時には、是非、公共の施設を利用することをお勧めします。
以上で私の発表を終わります。
ありがとうございました。
《あとがき》
幼児期の子どもとのかかわり方って、本当に大切だなぁ~と、改めて思わされました。また、幼稚園教諭や保育士さんたちの専門性などもわかり、とても勉強になりましたね!
Mさん、ありがとうございました。<(_ _)>
「オギャー!」と産声をあげてから、乳児期、幼児期、小学校、中学校・・・と、とてもたくさんの手をかけられ、また思い(心)をかけられて、人は成長していくんですね。
これは地球上の生物の中で、おそらく人間だけですよね?(*゚ロ゚)
神様が、たくさんの愛を人間に注いでくださっているということを感じますね。(*^▽^*)