『聖書をハブルータ訓読で学ぶ試み』という題目で、昨年7月に公開した記事を皆さんは覚えていらっしゃいますか?ハブルータ訓読の学びはその後も続いており、現在第3クールまで終了しています。第1クールでは親子参加で行われましたが、その後色々と試行錯誤されながら、一世・二世の垣根を越えて参加メンバーも安定してきて、楽しく深い学びの場となっているようです。
今回は参加者3名の方の感想と、主催されているIさんからの総括の内容をお届けいたします。
参加者の感想①
旧約聖書を読むきっかけになりました。
20分程度数人でディスカッションし、その後全体で共有します。指定された範囲をよく読んでおかないと話ができないので、2週間程度その範囲をよく読みます。共通の話題で授受作用でき、自分では考えつかなかったような観点が与えられるので、有益で楽しい時間です。
ダビデという人物が強く印象に残りました。イエス様について「アブラハムの子、ダビデの子、イエス・キリストの系図」と書かれるぐらいにダビデは重要人物なのだと思いながら、ダビデのことはよく知らずにいました。ダビデは天稟と有能さと人気のゆえにサウルの妬みを買い、追いかけ回されて殺されそうになります。
サウルはダビデに王座を奪われるのではないかと疑心暗鬼になり、悪霊に主管され、時々本心に立ち返るのですが、ダビデを殺そうとします。逆にダビデはサウルを殺すことのできる絶好の機会が2度あったにもかかわらず、自分を殺そうと追いかけ回してくるその相手を許します。サウルは神様が立てられた王であることを尊重し、そんな相手でさえ許し愛していったダビデの姿は、神様のみ意に叶った人物であったのだと合点がいきました。
参加者の感想②
聖書ハブルータに参加するようになったきっかけは、以前から母に「聖書を知らなければ本当の意味で神様の摂理を理解できない」と言われていたことです。そのような理由もあり、いつか聖書を学びたいなと思っていたところにちょうど聖書ハブルータの案内があり、担当してくださるのが聖書に詳しいIさんと聞き、「このような価値ある機会は二度とない」と思い参加することにしました。
私にとって聖書ハブルータの恩恵は想像以上のものです。いくつか印象的だった学びについてご紹介します。(以下の感想はすべて私の主観によるものです)
一つ目はモーセの人柄についてです。モーセについて学ぶ前は「血気に走って石板を割ってしまった人」というイメージしかありませんでした。しかし聖書ハブルータを通して、モーセがいかに愛情深く、忍耐強く、神に忠実で、人格者であったかを知りました。
クライマックスにおいて神様が「お前はヨルダン川を渡れない(カナンに入れない)」といわれた箇所では、モーセのそれまでの歩みを想い思わず涙が溢れてしまいました。そのような神様の決断に対してもモーセは一言の不平も言わずに「分かりました」と言ったのです。そして後に残された者たちに「強く雄々しくありなさい」と激励しました。ヨシュアが神の前に最後まで忠実に歩めたのはモーセの激励があったからだと確信します。
二つ目はダビデ王が立っていく時です。私はヨナタンの役割に特に注目していました。命をかけて年下のダビデを守り「あなたが次の王です」と励ます姿が印象的でした。ヨナタンほどに私心なく神の御心を自ら悟り、自身の果たすべき役割を成した人物はいないのではないかと感じています(ダビデ王時代の時点で)。
三つ目は女性たちの役割です。特に女性たちの神への信仰が摂理的中心人物の誕生に深く関わっていることを感じることができました。
レアとラケルのうち、ヤコブに愛されたのはラケルでしたが、後の摂理に多く貢献したユダ族の血統を生んだのは信仰深いレアでした。
サムエルという偉大な予言者を生んだのはハンナの信仰深さであり、ソロモン王を生んだのは自身の幸せよりも神の御心に従ったバトシェバでした。
聖書のところどころで、女性たちは摂理的人物が神の御心を果たせるように助けています。ラハブはヨシュアとカレブを命がけで守り、アビガイルは怒りに我を忘れたダビデが罪を犯さないようになだめ、家族全体を救いました。バトシェバは神の御心が成されソロモンが王位につくのを助けています。彼女たちの直感と知恵、勇気には学ぶことがたくさんあるように思います。
また母親による子への信仰教育(人格教育)がいかに重要かというのも聖書ハブルータを通して学んだ教訓です。
聖書の学びを通して、神様の原理原則、お父様のみ言、顕進様のガイダンスがより深く理解できるようになりました。神様が愛される人ほど大きな試練が与えられ鍛えられる様子がみえてきますし、神の「義」を成すということがどういうことかも理解できるようになってきました。
同時に 中心人物たちの神への信仰と責任の重さを痛感するほどに、私たちに求められている基準がどれ程高いものかを理解するようになりました。それらは私にとって深い悟りでしたが、そのような歴史を背負っているという「自覚」を持ちなさい、と叱責されているようでもあります。
旧約の時代も現在も同じ神様が生きて働いておられる。聖書の言葉が私にいきいきと語りかけ、知恵と勇気を与えてくれるのを感じる時「神様はみ言(ロゴス)によって導く」というのを実感します。
最後に、このような学びの機会を準備してくださっているIさん、また共に深く熱く学びあえる兄弟姉妹の皆さまに感謝申し上げます。
参加者の感想③
聖書ハブルーター訓読会に参加させていただきとても感謝しています。
若かりし頃に聖書の勉強会にちょっと参加したことがあるだけで少し敷居が高いかな、いつまで続けられるかなと考えながら参加しました。Iさんが毎回クイズを準備され、和やかに雰囲気良く始まります。
毎回読む箇所を早めに送ってくださるのに、いつもギリギリになって読みながらの参加です。しかし、回を重ねるごとに内容が昔のことではなく、現在私たちが生きている課題にも似たことがたくさんでてくると感じます。神様が如何に人間を導くことが困難なのか、その苦悩を考えさせられたり、その時代に選ばれた者たちがどれだけ困難な道をたどりながらその試練を超えていくのか…など。ある時は失敗の連続。またあるときはどんな試練を超えて成功したのか?そんな風に思いを馳せながら考えていきます。参加者の意見や感想の中に感じる視点が自分と違い、はっとさせられることも少なくありません。
最近の内容ではソロモンの事が痛く心に残りました。
神様に知恵を賜りその知恵故に偉大なる結果を残しましたが、残念なことにソロモン自体はその人生に空虚さを感じながら苦悩し、本当の幸せにたどり着けずにいたのだと感じ深く考えさせられました。そして人には真の愛、真の家庭が本当に必要なのだと感じました。なかなか手にすることがなかった聖書に、僅かですがこのように向き合って話し合える場を持てることがとても感謝です。こんな私でも続いていますから関心のある方は是非参加をおすすめしたいと思います。色々な方の意見や感じ方を知ることによって、楽しいひと時が過ごせるのではないかと思っています。
終わりまでまだまだ先は長いので、私も続けて参加していきたいと思います。
【総括】
第2クール以降は参加者も安定し、熱心な学びの場を持つことができました。「聖書勉強会は長続きしない」というジンクスを吹き飛ばし、良きチームができたことを神様に感謝致します。聖書自体のパワーもさることながら、参加者一人ひとりが様々な観点で取り組む授受作用の力に驚かされました。1世と2世はかなり観点が異なり、当初は1世同士、2世同士でハブルータのペアを組んでいました。しかし最近は1世と2世でもハブルータ訓読をすることができ、互いに理解を深めることで有意義な時間となっています。
第4クールからはイスラエル南北王朝の分立、バビロン捕囚と帰還というヘビーな題材を扱います。信仰が混乱する現代に通じる内容であり、絶望の中でも復帰を諦めない神様の執念を、感じ取ることができることでしょう。
私たちもまた神様の計画にあると実感することを通して、日々の生活を意味のある内容にできることを期待してやみません。
🌸第4クール以降の予定です🌸
第4クール:列王記、歴代誌、アモス書、ホセア書、イザヤ書(南北王朝分立時代)
第5クール:エレミヤ書、エゼキエル書、エズラ記、ネヘミヤ記(バビロン捕囚・帰還時代)
第6クール:マタイ、マルコ、ルカによる福音書(イエスの公生涯)
第7クール:使徒言行録(初代教会)
第8クール:コリント人への手紙、ローマ人への手紙(パウロの異邦人宣教)
第9クール:ヨハネによる福音書、ヨハネの手紙(キリスト教という新宗教)
第10クール:エステル記、マカバイ記、ヨブ記(ユダヤ民族のアイデンティティ)
第11クール:ヘブライ人への手紙、ヨハネの黙示録(再臨について)
聖書ハブルータに興味を持たれた方は、FPAを通して質問・相談を受け付けております。関心を持たれた方は是非ご連絡を頂ければと思います。
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